スフィンクスとガネーシャ



 出張中に挟むことになってしまった日曜日を利用して、ロンドンの展覧会を二つはしごする。たまたまこのブログの読者の方と縁があるアイテムに出会ったので、先日に続いて無駄話を少し。

 ピカディリーの王立美術院 (Roay Academy of Arts) で二つの展示。一つは大きなロダンの展示、もう一つはこぶりのヒンドゥー神像の展示。

 ロダンの「地獄の門」のパーツや「イブ」「女性の殉教者」「接吻」「考える人」(G.B. ショーが裸でポーズを取って写真を取らせているものがあった!)とかの表現力にただただ感嘆しながら見て回っていると、ある女性の怪物の彫刻が目に付いた。柱の上に載っている小さなものだけれども、部屋の反対側からでも「あの assertive な女は何だ?」と気になるもの。近寄ってみると、スフィンクスで、あごを突き出した高圧的な態度といい、こちらに身を乗り出すような迫力といい、存在感がある。いや、ありすぎる。キャプションを見たら、このスフィンクスはロダンからアーサー・シモンズへのプレゼントだそうだ。そう、このhitomidon さんのブログで教えていただいたハシシを吸ってイタリアで発狂したシモンズである。

 もう一つはヒンドゥーの彫刻たち。くねらせた腰に、片足を挙げたダンスのポーズ。何本も生えている手が、このうえなく自然で優美。その中にまじって、一つ「ガネーシャ」がいました! その間抜けなエピソードに惚れこんで、hillsidecsx さんからいただいて以来、酔っ払って転んだ片方の牙を追った知恵の神様のちいさな像は、私の本棚の一等地においてある。この展示のガネーシャはもちろんずっと大きなもので、太った子供のような愛嬌がある姿態をしていた。いくら hillsidecnx さんのおめがねにかなったものとはいえ、私の骨董を、博物館のガネーシャと較べてこういうことを言うのは不遜だけれども、私のガネーシャの方がずっと美しい(爆)。

画像は、どちらも私が観たものと同じではないけど、だいたいこんな感じ(笑)