スペインの乳幼児死亡率



未読山の中からスペインの乳幼児死亡率の長期統計についての論文を読む。文献は、Fariñas, Diego and Alberto Sanz Gimeno, “Childhood Mortality in Central Spain, 1790-1960: Changes in the Course of Demographic Modernization”, Continuity and Change, 15(2000), 235-267.

スペインの乳児死亡率は19世紀の後半になっても高めで、200と250の間だった。1900年になっても、まだ200くらいあった。この時期の日本やイギリスの数値は150くらいで、イタリアもそのくらいだった。人口転換先進国のスウェーデンに至っては100近辺まで下げていたから、スペインはスウェーデンと較べると二倍以上の乳児死亡率を抱えていたことになる。

それよりもさらに激しく悪いのが一歳から四歳までの死亡率を計算する幼児死亡率4q1で、これは19世紀の後半で北欧の国の三倍近くある。