バーミンガム大学付属バーバー美術館




バーミンガム大学は大学の構内に立派なギャラリーを持っている。オールド・マスターからのすばらしいコレクションで、バーミンガムの富裕な市民が20世紀の初頭にこのコレクションを寄付すると大学に申し出たときには、できて間もない大学はこの立派な寄付に面食らってしまって、教授たちからは反対意見すら出たそうだ。

14世紀のシエナやボッチチェルリ、デューラーから、エゴン・シーレやピカソまで、美術史上の巨匠の作品は、かなりのところまで一通りそろっている。これも仕事の合間にできた1時間くらいの時間で駆け足で見ただったけど、とてもいいコレクションだった。ボッティチェルリは、市立美術館よりもはるかによかったし、14世紀シエナのマルティーニ・シモーネという作家ははじめて聞く名前だったけれども、出色だった。あと、ベリーニが描いた若い男の肖像画があって、彼がものすごくたくさん描いた定番の青と赤が鮮烈なマドンナとはまったく違った雰囲気で、薄い色ではかなさを漂わせた表情の肖像画だった。

たまたま期間限定で、バーミンガム市民の個人蔵の作品を数十点集めた展示をしていて、ロセッティがチョークで描いた作品があって、主題や画風はいつものロセッティなんだけれども、媒体が違うとすごく印象が変わって面白かった。

画像はベリーニとボッティチェルリとロセッティ。 ギャラリーのサイトはこちら
http://www.barber.org.uk/index.html