感染症のレファレンス

感染症のレファレンスが届いたので、どんな使い方ができるかと思って目を通す。文献は、Brenda Wilmoth Lerner and K. Lee Lerner, Infectious Diseases in Context 2 vols. (Farmington Hills, MI.: The Gale Group, 2008)

感染症の病気の名前と、それ以外にも色々な項目で引くことができるレファレンス。病気の名前はいいけれども、他の項目は、たとえば Handwashing だとか、Globalization and Infectious Disease だとか、World Trade and Infectious Disease だとか、その語を思いついて調べるのがちょっと難しいから、しばらく眺めたり使い込んだりして慣れなければならない。囲み記事で載せられている、重要な用語の解説は、疫学をきちんと勉強していない私のような文系の人間を多くの間違いから救ってくれるだろう。

執筆者は、当たり前のことだけれども現代医学の専門家だけれども、私が比較的良く知っている病気の項目を拾い読みしてみたら、意外に(と言っては失礼だけ)参考になった。これは歴史情報に強いということではなくて、歴史を考える上で役に立つ洞察がちりばめられているという意味だけれども。

それから、カラーの図版が臨場感があって素晴らしい。特に、Smallpox の項目にあった1973年のバングラディッシュの少女の患者の写真はすごくインパクトがあって、この病気が襲ってきたら、神の怒りだと解釈したくなるのも無理はないと実感した。