出張の合間の休日の一日、ロンドンでレオナルドのスケッチを見られる展示があることに気付いて、あわてて見に行く。Amazing Rare Things というタイトルで、英国王室が所有する自然誌関係の絵画やスケッチなどをバッキンガム宮殿のギャラリーで見せるという企画。英国王室が所蔵するウィンザー・コレクションの中から、レオナルドの自然誌関係のものが選りすぐられて10点くらい、それに自然番組のプレゼンターとして有名なデイヴィッド・アッテンバラが解説をしている。
有名なスケッチで、色々なポーズをとっている猫とライオンを描いた中にさりげなくドラゴンがいるものが出ていた。月並みで幼稚な形容詞だけれども、「動き出しそうな」という表現が本当にぴったりくる。黒スグリの実がたわわになって、やわらかい枝がしなっているスケッチも、レオナルドの魅力をよく伝えているスケッチだった。
レオナルド以外には、有名なところでは、ナタリー・デイヴィスが著作で取り上げて有名になったドイツの女性自然誌画家で、18世紀に南米のスリナムで蝶や毛虫を描いたマリア・シビラ・メリアンの作品を沢山見ることができた。複製では見たことがあったけれども、フォリオ版の大きな作品を見るのは初めてで、どれだけ大規模な仕事だったのか、そしてそれを女性の画家がしたことの意味を改めて認識した。