栗原はるみとイギリスの料理本など



どの家にもコアの料理本があると思う。うちの料理本は、実佳の友人から頂いた向田邦子さんの本と、日本に帰ってから買った栗原はるみさんの本である。味についていえば、どちらもこくが強くてパンチ力がある料理に特徴があり、お互いに似ていると思う。栗原さんはお料理が好きで有能でセンスがいい私生活をかなり前面に出したイメージ戦略を作っている。賛否両論あると思う。

イギリスでは、著名な主婦マニュアルの著者の実像は意外なことが多い。セアラ・エリス[1799-1872]は、自分で子供を持たなかったが、初期ヴィクトリア朝時代の家庭と母親礼賛のベストセラーを何冊も書いた。ビートン夫人(1836-65)は、イギリスの主婦マニュアルの古典の著者だが、これを書きはじめたときは、結婚してから3年しかたっておらず、ビートンが死亡したため、その結婚はそもそも5年しか続かなかった。主婦マニュアルではないけれども、戦後のイギリスに地中海の洗練されたシンプルな料理の魅力を伝えたエリザベス・デイヴィッド(1913-92)は、もともと上流階級の出身であったこともあり、チェインスモーカーで家事能力はゼロの人物で、ブタ箱のように散らかった家に住んでいた。

画像は、エリザベス・デイヴィッドとイザベラ・ビートンなどなど。