エコノミストより、高校生の野心と不安について

OECDの調査で、今年はOECD各国に限らず、世界の様々な国にも協力を要請したとのこと。高校生を対象にして、「クラスで一番になりたいか」「試験で十分な準備をしてきても不安か」という二つの質問をして、その割合をグラフ上で表現したもの。心理学的な原理や議論は何も知らないが、面白い発想だなと思う。このあたりの議論は、この本を読むと分かりますよという本をご存じの方は教えてください。

日本に関していうと、非常に野心が低く、わりと不安が多い国である。野心的ではなく、不安が多いというジャンルの世界チャンピョンである。野心でいうと、日本よりも野心が低いのはオランダだけである。オランダと日本の二つの国が野心が低いという理由は、全くわからない。日本人の高校生がクラスで一番になりたいと強く思っていないというのは、そう言われてみたら、まあわかる。 

不安でいうと、日本はわりと高いほうというだけで、病的に不安な国というわけではない。不安度の上位を見ると、ドミニカ共和国コスタリカ、ブラジルといった中南米の国が上位に来ていて、これらの国の高校生たちが、そんなに不安を持っているのか、私には見当がつかない。私が住んだことがある国でいうと、イギリスが日本よりもかなり不安度が高い。多少知っている国でいうと、イタリアも日本よりもはるかに不安度が高い。これらの事例は全く分からない。日本の高校生が理解する不安と、ブラジルやイギリスやイタリアの高校生が理解する不安は、たとえ同じ言葉で表現されているとしても、全く違う何かであるようにしか思えない。

もう一ついうと、日本は野心が低く、不安が高い。その逆に位置する、野心が高くて不安が低いという強気の権現は、イスラエルである。これも、言われてみたら、まあそうかもしれないなと思うことができる。 

基本、よく分からない調査である。これは、この調査がよくできていないことなのか、私が世界の各国について何も知らないということなのか、よく分からない。総じて後者だろうとは思うけれども、イタリアの高校生が日本の高校生よりも不安にさいなまれているというデータは、正直申し上げて、本物のデータなのかどうか、疑いを持っている。

f:id:akihitosuzuki:20170421085010j:plain

 

www.economist.com