ネアンデルタール人とデニソワ人の混血

www.economist.com

 

学部1・2年生向けの一般教養の歴史の一番最初の30秒か1分くらいが、実はかなり難しい。医学史の授業、ことに疾病の授業をするには、現生人類が誕生し、それが優勢で他の旧人が絶滅するという話をとにかく入れなければならない。しかし、そこで何の話をすればいいのかよくわからない。現生人類にはネアンデルタール人のDNAが少し入っているから、クロマニヨン人ネアンデルタール人の生殖があったことは事実であり、そこは話すことができるが、それなら現実はどうなのかというと、私には何もわかっていない。現生人類になってから、それが狩猟型から農耕型に移行すると、その部分を論じる本はたくさんあるから大丈夫だけれども、その前の旧人と現生人類の関係は、化石のDNAを研究する最先端の方法を用いることもあって、私が弱い領域である。

エコノミストによれば、ドイツの考古学者がロシアでネアンデルタール人の母親とデニソワ人の父親の間の娘の化石を発見したとのこと。これも DNAを研究するとわかるとのこと。この「デニソワ人」という言葉も初めて知ったし、ミトコンドリアDNAという母親から娘に伝達されるものがネアンデルタール人のものだということも、ああ、そうだったと思いだす程度だった。このあたり、最先端は難しいけれども、医学の歴史学者が読んでもわかるいい本があるといいですね。