私はお料理が絶望的に下手である。できるお料理は三つだけで、卵をゆでる、ソーセージをゆでる、そしてアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノのスパゲッティを作ることである。それ以外のお料理はすべて実佳がしてくれて、どれも夢のように美味しい。
しかし、実佳が根本から苦手なお料理が一つだけある。それがドレッシングである。実佳のドレッシングには酢がとにかく多い。酢でもレモン酢でもバルサミコ酢でも、実佳のドレッシングは酢が多い。実佳が作ったドレッシングの酢とオリーブオイルの比率は、彼女が言うには1:1であり、私の考えではたぶん2:1である。酢が2でオイルが1というのは、私は無理である。
これをめぐって30年近い結婚で、複雑で様々な経緯があったけれども(笑)、今回、私がドレッシング係になった。『ラ・ベットラ 落合務のパーフェクトレシピ』という素晴らしい本があって、Kindle だとカラー図版入りで100頁を超える料理本が200円で買える。お酢とオイルは1:4の比率であり、お塩と胡椒を入れるタイミングなども書いてある。書いているイタリア風の文体も私は好きである。ボンゴレやトマトソースなどの他のレシピも、少し手を出してみようかしら。ぜひご一読を!(笑)