先日に母斑の話をしたときに、森洋介先生に面白いことを伺い、その脈絡で示唆してくださった文献を読んだ。とても面白い論文であった。基本は、20世紀前半の視覚的な胎教の探求であり、ジャンルは探偵小説と、そこで利用されている古典や迷信という話である。胎教が持つ日本の伝統というのは面白いけれども、私がまったく無知だった主題で、とても勉強になった。作家としては、横溝正史の作品で始め、小酒井の作品、夢野の作品を論じながら、ヨーロッパと日本の双方の胎教の逸話を引用している。ヨーロッパでは Pyle and Gould, Anormalies and curiosities in medicine. 日本では下田次郎『胎教』などが重要なマテリアルであるとのこと。どちらも買っておいた。数百円から1500円程度で手に入る。これらの作品は結核や精神疾患なども含んでいて、それも読んでおこう。
森先生、恂にありがとうございます! ためになりました。