湿地の自然

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日本野鳥の会。今回は『野鳥』も Toriino もどちらも面白い。『野鳥』では「都市の湿地」と題された記事がとても面白い。高田雅之先生という方で、北大の農学部で学んで、現在は法政大学で教えていらっしゃるとのこと。医学史家としては、都市の湿地というとマラリアを中心とした感染症しか思いつかない。湿地の近くは感染症罹患率が非常に高いからである。しかし、そのかなりの部分をコントロールできるようになった現在は、湿地性を都市に取り戻す試みをしてもいいだろう。そもそも、日本でも外国でも、大都市は湿地にできたという一つのパターンを持っている。江戸、大阪、名古屋、新潟などがそうだし、ヴェニスアムステルダム、パリ、サンクトペテルブルクがそうである。静岡だと富士宮の富士山ゾーンには多くの湿地池があり、静岡市には麻機(あさいそ)に湿地池がある。高田先生には『日本の湿地』という著作がおありとのこと。読んでみようかな。
 
Toriino は、どの文章もよくて、特に藤原新也先生が「パリの個人、東京の量産」という素晴らしい文章を書いている。写真も素晴らしい。これはもちろん量産されるファッションモデルの話だけれども、学者においてもそのまま当てはまる。私も量産に入っているような気がする。
 
日本野鳥の会の雑誌『野鳥』の表紙が、堂々たるキジの写真なのが、何か嬉しかった。