Entries from 2005-01-01 to 1 year

スペインのハンセン氏病

20世紀初頭のスペインに、ハンセン氏病患者のコロニーが設立された時に用いられたメタファーを分析した論文を読む。 1909年に、スペインのアリカンテ県にハンセン氏病患者のコロニーが設立される。スペイン近代化運動の産物であるという。1898年にアメリカと…

公衆衛生 vs 栄養状態

19世紀のイングランドの死亡率の低下に貢献したのは、栄養状態の改善なのか、公衆衛生の発達なのかという古典的な論争を「再訪」した論文を読む。 「マキョウン McKeown のテーゼ」と呼ばれているテーゼがある。医学史の世界で、もっとも論議されたテーゼと…

治療法の違いとジェンダー/セックス

17-18世紀のイギリスの医療において、病気の治療に性差があるかと論じた論文を読む。 「同じ病気であっても男と女の治療は異なっていた」と聞いて、「当たり前じゃないか」と感じるのは確かである。しかし、開き直って、「医者は、どんな原理に従って、男の…

ヒポクラテス医学

授業で古典古代の医学(主にヒポクラテス)を教えるために、The Western Medical Tradition (1995)の第一章、Vivian Nutton によるギリシア医学の章を読みなおす。 個人的な好みの話をすると、ギリシア医学の歴史を教えるのは、いつでも楽しい。エーデルシュ…

フィリピンのコレラの地理学

1902-4年のフィリピンのコレラの流行を地理学的に分析した論文を読む。 Peter Haggettとチームを組んで疾病地理学の古典的な仕事をしている Andrew Cliffたちの仕事。麻疹、島嶼の流行病、世界の大都市と矢継ぎ早に大きな本を出してきたチームだが、今度は…

イングランドの民間医療書

The Ladies’ Dispensatory (1652) の モダン・エディションに目を通す。 1649年以降のイングランドでは、堰を切ったように一般向け self-help 医学書が出版された。 Charles Webseter によれは、49年からの10年間で163点に上るという。 この書物は、その一つ…