病原体の進化と現代の公衆衛生

未読山の中から、著名な生命学者のレダーバーグが書いた論文を読む。文献は、Lederberg, Joshua, “Infectious Disease as an Evolutionary Paradigm”, Emerging Infectious Disease, 3(1997), 417-423.

病原体の圧倒的なスピードの進化に対して、人間の進化のスピードはお話にならないほど遅い。また、現代の人間社会は、人口密度も高く、移動性も高く、しかも統一的な方策の妨げとなるさまざまなギャップ(国のギャップや階層間のギャップ)があるから、公衆衛生が頑張らなければならない。個人の権利が勝利した現代においては、公衆衛生の闘いはより厳しいものになっているが、一方で、教育と情報というのは普遍的に受け入れられている対抗策である。