ガレノスの瀉血論

ガレノスの瀉血論をチェックする。文献は、Brain, Peter, Galen on Bloodletting: a Study of the Origins, Development and Validity of His Opinions, with a Translation of the Three Works (Cambridge: Cambridge University Press, 1986).

この本の中で、ガレノスの瀉血論が三つ英訳されている。「エラシストゥラトゥスに反駁して瀉血の効果を説く書物」の正編と続編、それから、瀉血論を要約した短い論文である。ガレノスの言うことを信じるなら、当時のローマでは、アレクサンドリアの医師であるエラシストゥラトゥスの影響で瀉血という治療法が行われずに、人々は断食によって体液を排出していたが、ガレノスにとって瀉血ヒポクラテスにも書かれている正当な方法であった。エラシストゥラトゥスをしつこくしつこく批判して、瀉血の正当性を論じている。