近代日本の売薬

Susan Burns, "Marketing Health and the Modern Body: Patent Medicine Advertisements in Meiji-Taisho Japan," forthcoming in Hans Thomsen and Jennifer Purtle, eds.., East Asian Visual Culture from the Treaty Ports to World War II (New York: Paragon Publishers, 2006)

スーザン・バーンズの論文を読む。明治から大正にかけての日本の売薬の広告の図像分析を通じて、近代的な消費者がおかれた世界を分析した野心的な論文。 

日本の近代の出版メディアには広告があふれたが、その中でも最も多かったものの一つは、売薬の分析であった。仁丹、中将湯などの著名な売薬は、その中に近代的な主題を描きこんだ図像を用いて、ただ単に薬を売るだけでなく、富国強兵、立身出世、国際性、植民地主義などの近代日本の経験を描きこんだ。