西アフリカ内陸部のレイヨウの頭部装飾器

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父と母と子供が作る一組の共同体ですね。

 

西アフリカの内陸部は、国の名前でいうと、マリ、ブルキナファソ、そしてガーナ、トーゴ、ベニンの内陸部である。部族・民族の名称でいうと、バンバラやドゴンなどが存在している。残念ながら私は「聞いたことがあります」程度で、区別がつかない。バンバラはマリで250万人ほど住んでいて、人口としては最も多い。農業・牧畜(牛)を営んでいた。かつてはアミニズムを、それからイスラム教、フランスによる支配を経ている。

そのバンバラが作っているレイヨウの形から発展した頭部装飾器を二つ一組みで買った。これは縦長の巨大な大きさで、どちらも1メートル以上ある。私は最初は彫像かと思ったが、確かに頭につけている写真がある。農業に関連した儀礼を行うために、頭の上につけて登場するとのこと。

一つの大きな特徴は、2世代で作る家庭という理念である。二つで一組みは、父のモデルと母・子のモデルの二つである。この二つで一組となる。バンバラの世帯の制度は知らないし、レイヨウは両親と子ではなくて群れでいるように勝手に思っているけれども、三人で一つの重要なグループを作る。少なくとも英語圏のファンにとっては、この2世代で一組という芸術の理念は大きな貢献をしているだろう。私が惹きつけられた理由には、それがあることも確かである。

それと同じくらいの魅力が、表面のエレガントなデザインである。母親と子供はエレガントなデザインで、愛情の雰囲気を出している。いいか悪いかは別にして、これも英米型の理念なのだなあと思う。