1933年のモダニズムと看護婦

中村, 史子, 園子 中西, 愛知県美術館, 岐阜県美術館, 三重県立美術館, and 中日新聞社. 魔術/美術 : 幻視の技術と内なる異界. 愛知・三重・岐阜三県立美術館協同企画. Vol. No.6: 愛知県美術館 : 中日新聞社, 2012.

中井, 康之, 国立新美術館, 国際交流基金, 国立国際美術館, Yong Ping Huang, 広義 王, 培力 張, et al. アヴァンギャルド・チャイナ : 「中国当代美術」二十年 = Avant-Garde China : Twenty Years of Chinese Contemporary Art. 国立国際美術館, 2008.

甲斐, 義明, 由紀子 富山, 新 林田, 史子 中村, 塩津青夏, 愛知県美術館, and 朝日新聞社. これからの写真 = Photography Will Be. 愛知県美術館
朝日新聞社, 2014.

愛知県美術館学芸員である中村史子さんのお仕事を見ている途中で、1930年代の看護婦について興味深い記述が「魔術 / 美術」などにあったので簡単なメモ。


中村岳陵「都会女性職譜」(1933)は、日本画家である中村岳陵(1890-1969)が、1933年の日本美術院の第20回の院展に展示した作品である。都会の風俗の一つとして当時の女性の職業を描いたもので、7点のうちの一つが看護婦である。看護婦の背景には、患者がいない空のベッドと医療の設備が描かれているが、その医療の環境は非常に機械化されたものである。おそらく患者の手足を空中に上げる仕組みであり、オレンジ色の二つの滑車が上部に配され、レントゲン機械である複数の四角形の枠型がベッド全体を覆う。


それ以外の6点は、チンドンヤ、エレベーターガール、レビューガール、女店員、女給、奇術師である。
佐藤美貴「《都会女性職譜》について」 三重県立美術館・研究ノート
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/54495037571.htm