Entries from 2019-05-01 to 1 month

阪神タイガース!(笑)

www.ucpress.edu カリフォルニア大学出版会。素晴らしい出版局である。Caroline Bynum の Holy Feast and Holy Fast (1987) などは青春の一冊である。この出版局から最初の著作を出版できたことは、私の学者としての何かを支えている。そこの新刊刊行のお知…

第二回・文理連接プロジェクト研究講演会

4月16日(火)の夕刻には、「文理連接プロジェクト・医学史と生命科学論」の第1回研究会が開催されました。医学史の鈴木晃仁(慶應義塾大学)「症例誌と文学と社会:医学と様式と歴史の複合」が行われました。文系と理系の学問と教育が接する場所である慶應…

ラクロ『危険な関係』と成人後の天然痘

Laclos, Choderlos de and 武彦 伊吹. 危険な関係. vol. 赤-1162,1163, 赤(32)-523-1,2, 6809-6814, 岩波書店, 1965. 岩波文庫. 金曜日に映画を観て、16世紀の天然痘の人格への影響を知った。エリザベスが30歳の時に天然痘となったこと、美しかった顔貌が大…

レオナルドの自画像スケッチ

www.theartnewspaper.com イギリス王室のコレクションの中に、これまで気がつかなかったレオナルドの自画像スケッチ。レオナルドの自画像や、弟子が描いたスケッチなどがあるが、これはまさにレオナルド自身が描いた自画像スケッチではないかとのこと。もう…

トマス・ザズの遺産

historypsychiatry.com https://www.psychiatrictimes.com/film-and-book-reviews/thomas-szasz-appraisal-his-legacy 精神医療に関係している人々はトマス・ザズ (Thomas Szasz, 1920-2012) という精神科医で優れた評論家をご存知だろう。何冊かの日本語の…

エリザベス女王と天然痘の傷跡

www.2queens.jp 昨日は夕刻に映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』を観た。イギリスの歴史映画は、だいたい実佳とともに大好きで、点が甘くなるのは事実だけれども、非常に優れた映画である。史実に関して、特に性的な描写と人種の描写に関しては、現…

子宮頚がんとHPV予防ワクチンと少女の性行為の問題

mosaicscience.com ウェルカム財団の MOSAIC に、アフリカのルワンダにおけるHPV予防ワクチンと子宮頸がんの記事が掲載された。ルワンダは、コンゴ、ウガンダ、タンザニア、ブルンジに囲まれた小さな地域であるが、人口は多い。ドイツ植民地からベルギー植民…

西欧の薬草のサザンウッド

en.wikipedia.org 今では普通に売っている「サザンウッド」southernwood と呼ばれている薬草がある。家の庭や鉢に植えてきっと20年くらい経っている。元気だと言われているが、今年は買い足しておいた。学名は Artemisia abrotanum というから、ヨモギ属であ…

Japan Times の記事: 1918-20年のインフルエンザが教えてくれること

www.japantimes.co.jp 医国立保健医療科学院の研究員で、優れた医学史研究者である逢見憲一先生が、Japan Times のインフルエンザの記事に貢献いたしました。逢見先生が昨年英語で書かれた論文を参考にした、記者の Eric Johnstone さんによる面白い記事です…

Social History of Medicine より精神医療史の論文

historypsychiatry.com H-Madness が Social History of Medicine の最新号から精神医療の歴史に関する研究を紹介する特集。紹介論文は3点である。最初のものはイギリスの20世紀初頭において、産業疲労 industrial fatigue がどう理解されたかを分析する論文…

旧小倉陸軍病院で約1万人分の病床日誌の発見

共同通信社・福岡支社の王エイ星(エイは日へんに華)さんが、慶應の学振PDである中村江里さんの協力を受けて、小倉陸軍病院の傷病兵の病床日誌についての記事を書かれました。4月5日付の東奥日報、神奈川新聞、中日新聞、山口新聞、4月16日付の愛媛新聞など…

麻薬の非合法化の投票について

エコノミスト・エスプレッソより。アメリカのコロラド州デンヴァーで非合法麻薬を非合法と認めることを廃止するべきかどうかに関する投票があるとのこと。 これは化学物質としては Psilocybin (サイロサイビン)と呼ばれているが、もともとは、中央アメリカ…

地球史上の六番目の生態系の破壊

populationmatters.org エコノミスト・エスプレッソより。国連の緊急のメッセージである。現在はヒトとその支配が地球を完全に支配しており、「ヒトの支配の世紀」 anthropocene と呼んでいる。その中で、この数十年で、絶滅する動物・植物は、100万種に及ぶ…

バラとマーガレットとひらりねこ(笑)

連休の終わり。少し庭仕事をしました。バラが咲き始めました。ピンクのオリヴィア・ローズ・オースティンと白のデズデモナです。ついでにひらりねこも(笑) オリヴィア・ローズ・オースティンです オリヴィア・ローズ・オースティン、別の角度です デズデモ…

ナチスの収容所と月経の記録

www.historytoday.com History Today にナチスの強制収容所で行われた月経の問題についての優れた記事が掲載されていたのでメモ。 ジェンダー論では月経の問題が重点的なものとして取り上げられている。私自身もセンスが古く、昭和のおっさんか平成のおっさ…

BBCにおける19世紀の女性同性愛者の記事

[https://www.bbc.co.uk/news/resources/idt-sh/the_life_and_loves_of_anne_lister?xtor=ES-208-[22596_News_NLB_WK19_Fri_3_May]-20190503-[bbcnews_relationships_newsengland_sexuality]:title] en.wikipedia.org BBCで19世紀の女性同性愛者である Anne …

レオナルドの没後500年

www.economist.com エコノミストより。今年はレオナルドの没後500年祭である。5月2日はフランスで没した日であり、ヨーロッパの各地でレオナルド祭が行われていること。 冒頭は、レオナルドのノートの中で「ヴィオラ・オルガニスタ」と名付けられた楽器を、…

ガマズミの開花

ガマズミという落葉樹があり、この時期に花が咲き、秋には赤い果実が実ります。今年はたくさんの花が咲きました。 ガマズミの花が咲き始めました。

庭のバラとヴィオラとヒラリー(笑)

GWの朝。お天気も良くて、庭でコーヒーを飲みました。久しぶりにウグイスの姿を見たりしました。咲き始めたバラ、ヴィオラ、そして猫のヒラリーが平和な姿です。 二階から撮影したバラ。オリヴィア・ジェイン・オースティンの薄いピンクです。 ヴィオラを背…

19世紀から20世紀のフランスにおける植物画の装飾的利用について

publicdomainreview.org archive.org Public Domain の記事から。スイス生まれでフランスで活躍したEugene Grasset (1845-1917) による植物画の装飾的な利用の書物について。19世紀後半は、日本にとって、その芸術が突然ヨーロッパで高く評価され始める時期…

バラと爆撃とペニシリン

mosaicscience.com ペニシリンは世界で最初に作られた抗生物質であり、20世紀後半の医療を大きく変えた物質である。抗生物質は、英語では antibiotics と呼ばれている。微生物が作り出して、疾病の原因となる微生物の発育を阻害する物質である。それよりも少…

君主制という制度は世界で終わっていないこと

www.economist.com エコノミストの重要な記事。21世紀になってから世界で君主制が終わっていない。20世紀の後半である1980年代から現代にいたるまで、世界での君主制の現象は完全に止まっている。イギリス、デンマーク、日本、オランダ、スペイン、タイなど…